教师对教育改革议题的关注和意见
松本良夫
摘 要:本研究以中学教师的作用不适应性和作用革新为主题,以中学教师以及与之相衔接的小学、高中教师,中学管理层为调查对象,并准备一系列关于当下教育改革论教师阶层所关心和探讨的问题。本研究不仅旨在对教师的“世论调查”进行分析,还聚焦于当下关于教育改革的话题,以期探讨教师阶层的意识和态度。
关键词:教育改革;世论调查;教育行政
总结:对于当下教育改革,教师的意见主要集中在以下几个方面:
1、教师们最为关心的改革课题,排在前三位的是教育条件的提高,教师资质的提高以及教育行政的重新评估。
2、教师们主要对6年制中学设置、单位制高校设置、初任教师研修制度设置、教师资格审查制度、中小学学区自由化以及中学后教育等问题存在争议。
3、有关临教审讨论的课题和现状的改善,期待派和非期待派的意见大相径庭。期待派对教师资质的提高和教师课程的修订这两项的关心远高于非期待派;而相比较而言,非期待派更关心教育条件的提高和教育行政的重新评估。
教育改革論議に対する教員層の関心と意見
松 本 良 夫
第1は, 国民一般の世論である。第2は, 一般教員層の「世論」である。そして第3は, 学校教育の世界で指導的地位にある管理職層の「世論」である。「数」の点では, 第1の国民世論が最も大きく (有権者約7,000万人), 第2の「世論」は中規模 (小・中・高の教員総数は約100万人) であり, 第3の「世論」は少数派である (小・中・高の校長数は約4万人)。一方, 1人あたりの意見の「力」では, 逆に指導層の「意見」が最も大きく, 一般教員の「意見」が中間で, 国民の意見は小さい。各世論の政策決定への影響力は, 「数」と単位意見の「力」の積によってきまると考えると, 上記の三つの世論は, ほぼ対等の「力」をもつことになる。
この三つの世論は, 前述したようにそれぞれ異なった様相を示している。学校教育界の指導層の「世論」は, 臨教審の教育改革にかなり期待し, その基本的方向と各具体案の多くに賛同しているとみられる。これに対し, 一般教員大衆の「世論」は, 概して現下の教育改革に懐疑的であり, あまり期待もしていないし, 各具体案に対してはむしろ否定的意見の方が多い。一方, 一般国民の世論は, 「業界」意見とは異なる性格を有している。国民世論は, さまざまな意見が中和されてしまうので, そう鮮明なものにはなりにくいが, 教育に関しては, 現状への不満も多く, 現状打開への国民の潜在的な関心は決して低くないと想像される。
このように異なる三つの世論が並立している状態が, 現下の教育改革論議の性格をわかりにくくさせ, その見通しを不透明にしているように思われる。それぞれ有力な-しかし決定的な力はもち得ない三つの世論は, どこに収斂してゆくのか, はたまた分裂, 拡散してゆくのか, 予断を許さないところである。
教育改革の帰趨は, 政治レベルでみれば, 「力と数」によって決まってゆくのであろうが, 事柄の性格上, それだけで結着をつけてもらいたくはない。それには, まず, 教育界 (実践と研究の両者を含む) 内部で, 教育論としての論議を重ね, 教育界内部でのコンセンサスをつくる努力が必要であろう。そして, この「業界」意見と国民世論のあいだで議論をつめて, 改革の理念と政策を創出してゆくのが本筋であろう。
今回の臨教審による教育改革の審議方式は, この点で, 出発点から問題を抱えていたといわざるを得ない。今からでも, 教育界内の各階各層から, 意見を汲み上げて論議の中味を豊かにしてほしい。少なくとも, 一部の意見しか代表していない「圧力団体」の意見を, 教育界の多数意見と読み違えるようなことがあってはならない。どの派, どの団体の意見が適切, 妥当と判断できるほどに, 教育界の論議はまだ煮つまっていない。教育改革に拙速は禁物である。本論文が, 現下の教育改革構築の「足場」を見直す一つの契機になれば幸いである。
出处:《教育社会学研究》1986年第41期